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文献詳細

雑誌文献

生体の科学31巻5号

1980年10月発行

文献概要

コミニケーション

Daleの原理は破れたか?

著者: 桜井正樹1

所属機関: 1東京大・生理

ページ範囲:P.455 - P.455

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 長い間信じられてきたDaleの原理(1つのニューロンは,1つの伝達物質のみを合成・貯蔵・放出する)に対する異議申し立てが,最近相次いでいるが,確実にこの原理を破るものは見出されているとはいえないようで,この原理の妥当性をめぐる論議は,現在の神経科学の大きなトピックの1つとなっているといえよう。このような中で,興味深い論文が,主としてKarolinska研究所のメンバーにより発表された(Proc. Natl. Acad. Sci. USA,77(3):1651-1655)ので,ここに簡単に紹介したい。
 顎下腺などの外分泌腺を支配している副交感神経節後線維は,その刺激により,分泌と同時に血管拡張をひき起こすが,前者がアトロピンでブロックされるのに対し,後者はブロックされないことは,以前から知られていた。彼らは,このニューロンが,アセチルコリン(ACh)のみならず,vasoactive intestinal polypeptide(VIP)をも伝達物質としてもち,主としてAChが分泌作用を,VIPが血管拡張作用を担っていることを以下の事実から示唆している(材料はネコ)。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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