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文献詳細

雑誌文献

生体の科学31巻6号

1980年12月発行

文献概要

特集 大脳の機能局在 総説

大脳皮質における視覚機能の地図描写

著者:

所属機関: 1ロンドン大学解剖学教室

ページ範囲:P.459 - P.465

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 アカゲザルの視覚皮質は,後頭極から下部側頭回まで広がり,大脳皮質全体の少なくとも1/4を占めている。この中で視覚前野は,有線野(第1次視覚皮質,V1野)の前に位置し,Brodmannが細胞構築学的に区分した18野と19野に対応するものと考えられてきた(図1)。また視覚前野は,行動学的研究により視覚性であると考えられる下側頭回の領域にも接する。有線野との境界は細胞構築学的にはっきりしているが,下側頭回の領域との境界ははっきりしない。
 最近10年間にこれら有線野,視覚前野,下側頭回の多くの領域が,生理学的なマッピング実験で調べられた。マッピング実験では,細胞群からの記録を皮質にそって約1mm間隔で行い,これらの細胞の機能的特徴は無視して,受容野の位置だけを印していく。このように視野と皮質部位との位置関係を明らかにすることも重要であるが,その結果の意味を理解する為には,大脳皮質の視覚領野には何が表現されているかを問う必要がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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