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解説
精神分裂病因に関与する脳内dopamine作動機構
著者: 融道男1 西川徹1
所属機関: 1国立武蔵療養所神経センター
ページ範囲:P.504 - P.511
文献購入ページに移動 精神分裂病schizophreniaは一般成員中の発現頻度が極めて高く(0.6〜0.7%),精神病院の入院患者の過半数はこの病気で占められている。分裂病はほとんどが10代から20代の青年期に発病し,再発をくり返すことが多い。1950年代から薬による治療が可能になり,外来治療だけで軽快する患者が増加し,たとえ入院しても短期間ですむようになり,維持療法により少量の薬をのみ続けることにより再発を防ぐことも可能になってきている。分裂病に効く薬があるということから,これまで生物学的に病因を解明することができなかったこの疾患について精神薬理学的にアプローチする道が開かれた。分裂病治療薬の共通因子が脳内のdopamineに拮抗する作用であることから,分裂病のdopamine過剰仮説が唱えられている。小論はこの仮説の成り立ちを概説し,筆者らの研究について若干の紹介を試みたものである。
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