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文献詳細

雑誌文献

生体の科学31巻6号

1980年12月発行

文献概要

講義

哺乳動物外分泌細胞における神経伝達物質ならびにペプチドホルモン作用の細胞内メッセンジャーとしてのカルシウム

著者: 星猛2

所属機関: 1 2東京大学・生理

ページ範囲:P.513 - P.520

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 本日この会で講演する機会を与えて下さいました星猛教授に厚く御礼申し上げます。また東京大学を訪れる機会を得ましたことは私の非常な喜びです。本日は,膵臓の腺胞細胞が種々の重要な消化酵素を分泌している機序に関して,私がどの様に考えているかを概略説明したいと思います。
 膵臓の腺胞細胞の主な部分は外分泌機能を営んでおります。その腺胞細胞の特徴は,細胞の腺腔に面した側に多数のチモーゲン顆粒をもっていることです。膵外分泌部の80〜90%はその腺胞細胞で出来ていますが,腺胞には他に導管系の要素も含んでおります。私どもはその細胞をcentro-acinarまたはcentro-ductal cellsと呼んでいます。この細胞は導管系が腺胞の中に押し込められた導管部分であります。その部分から細い導管が続き,次第に太い導管に続いております。形態学的にはこれら導管の細胞は似ており,恐らく基本的にはHCO3-に富んだ液を分泌するという共通の機能をもっているものと思われます。従って単純化のために,私どもは機能的には2種類の細胞,すなわち腺胞細胞と導管細胞に分けて話したいと思います。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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