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「医学生物学における国際SEMシンポジウム」に参加して
著者: 飯野晃啓1
所属機関: 1鳥取大学医学部解剖学教室
ページ範囲:P.548 - P.553
文献購入ページに移動 走査電顕(以下SEM)が医学生物学の分野に応用されてから,約10年の年月が経過した。初めは分解能の悪さ,試料作りの単純さから"形態学者のおもちゃ"などと揶揄されがちだったSEMも,次々と発表される立体的な美しい写真により,形態学研究の最も魅力的な機器の1つとなって来た。アメリカにおいては1968年Johariにより,SEMのみの学会が組織され,以後毎年SEMに関する,理論と応用の論文が発表され,1979年には分厚い3冊の書籍となって世界中で発売される様になっている。一方,我国では1972年に田中(鳥取大)により,"医学生物学のためのSEMシンポジウム"が国立公園大山の一山荘でこじんまりと始まり,1980年鹿児島で第9回の会を重ねるに至っている。この間,田中(鳥大),徳永(鹿大),藤田(新大)などの情熱と努力により,次次と新しい技術が開発され,それが医学生物学研究に応用され,SEMに関しては世界のどの国にも引けをとらないという自負を日本の研究者が持てるまでに成長して来た。このあたりで,諸外国の一流学者を日本に招待して,医学生物学SEMの国際的シンポジウムを開きたいものだという声が次第に高まり,ついに今回の企画が実現の運びとなったのである。
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