icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学32巻1号

1981年02月発行

文献概要

実験講座

手軽なマイクロ2次元電気泳動法と高感度蛋白染色法—微量蛋白分析のために

著者: 三川隆1

所属機関: 1東京大学医学部薬理学教室

ページ範囲:P.74 - P.78

文献購入ページに移動
 SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動1)(SDS-PAGE)の開発以来,複合蛋白の分析は大幅に容易なものになった。さらにO'Farrell2)が導入した等電点電気泳動(IEF)とSDS-PAGEを組合せた2次元電気泳動(IEF/SDS-PAGE)または非平衡pH勾配ゲル電気泳動(NEpHGE)3)を組合せた2次元電気泳動(NEpH/SDS-PAGE)によって分解能は非常に高いものになった。しかしながらO'Farreliらの方法で2次元電気泳動を行う時に最初に出会う問題は,①結果を得るまでに長時間を要すること,②IEF泳動中の熱発生をさける為に低温操作が必要なこと,③しばしばIEF泳動中にゲルが抜け出ること,④泳動後ガラス管からゲルを取り出す手間,⑤1次元目のゲルをSDS-平衡化液から取り出し上手く2次元目のゲルにセットする際の緊張感,⑥2次元目のゲルが大きくその取り扱いに注意を要すること,等々幾つかあり決して気軽に扱えるものでないことも事実である。
 筆者らは現在、筋蛋白の遺伝子発現の様式を単細胞毎に調べているか,全てのサンプルをO'Farrellらのsystemで処理した場合相当な費用と労力と時間を覚悟しなければならない。手軽な方法が必要であった。費用だけでも安くあげようとO'Farrellのsystemをマイクロ化したところ,上述した幾つかの問題が予想外に同時に解決してしまった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら