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特集 チャネルの概念と実体 総説
卵細胞膜のイオンチャネル
著者: 宮崎俊一1
所属機関: 1自治医科大学第1生理学教室
ページ範囲:P.101 - P.109
文献購入ページに移動 極性の強いイオンが脂質二重層から成る細胞膜を輸送される場合には,キャリアーやチャネルといった特異的な膜蛋白を必要とすると考えられる。興奮性膜における膜電位依存性のイオン透過性の増加は,Na+,Ca++,K+をそれぞれ選択的に透過させるフィルターを備えた小孔を持つチャネルが担っているとする考えが支配的である。これらのイオンチャネルは,膜電位を感受して小孔を開閉するゲートを有しており,openかclosedかの2状態をとると想定される。そしてイオン透過性の増加は,openチャネルの数の増加と対応すると考えるわけである。このチャネル仮説は,未だ完全に実証されたわけではないが,少なくともこれまでに得られた実験結果の多くを説明しうる。逆に,研究者がこのようなチャネルを想定した上で実験を進めるために,この仮説を支持する実験結果が蓄積されてきているとも言えよう。特に最近では,細胞膜の極く小さなpatchにおいて,all-or-noneにon-offするunitaryなイオン電流(いわゆるsingle channel current)が記録されるに至っている1〜3)。
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