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特集 チャネルの概念と実体 総説
神経膜の内外面からみた興奮チャネル
著者: 山岸俊一1
所属機関: 1生理学研究所
ページ範囲:P.139 - P.145
文献購入ページに移動 イカ巨大神経線維を用いて膜興奮に関わる薬物やイオンの作用を膜内外面から全く同等の条件で眺めてみると,膜外表面と内表面の驚くべき異質な性格が浮かび上ってくる。この著しい非対称性こそが生物細胞膜の特徴であり,個々の細胞が細胞外環境から独立した内環境をつくり上げてきた長い歴史をその"機能する構造"の中に凝縮させているのであろう。
膜面を膜の興奮という観点からみると興奮機能を担う興奮チャネルとその支持構造というイメージで把えることは妥当なことであろう。イオン選択性の強い個々のチャネルをモデルにした解析についてはそれぞれの筆者の方が述べられる筈なので,私はこれまで主に手がけてきた灌流イカ巨大神経線維と一部ザリガニ神経線維のデータをもとに内外表面に顔を出しているチャネルの性質づけを試みたい。
膜面を膜の興奮という観点からみると興奮機能を担う興奮チャネルとその支持構造というイメージで把えることは妥当なことであろう。イオン選択性の強い個々のチャネルをモデルにした解析についてはそれぞれの筆者の方が述べられる筈なので,私はこれまで主に手がけてきた灌流イカ巨大神経線維と一部ザリガニ神経線維のデータをもとに内外表面に顔を出しているチャネルの性質づけを試みたい。
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