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解説
海馬と学習運動
著者: 平野俊二1
所属機関: 1京都大学文学部心理学教室
ページ範囲:P.146 - P.154
文献購入ページに移動 およそ400年前に,解剖学者Arantiusは大脳皮質の内側に位置し,脳の前部にまたがる彎曲した形状の海馬構造がタツノオトシゴに似ているので,海馬(hippocampus)と名づけたといわれる。近年,海馬切除の臨床例が記憶障害をもたらすというScovilleとMilner61)の研究が端緒となり,動物による海馬機能の実験的検討を促してきた12,25,26,30,33)。海馬の解剖学的入出力系や細胞構造についてはかなり明らかにされてきたにかかわらず28,56,57),構造全体としての機能についてはまだ十分に理解されていない19,27)。
ここでは行動学的検討にもとづく海馬と学習運動の関係についてのべる。本稿でとりあげられなかった多くの問題については,他の文献11,19,27〜29)を参照されたい。
ここでは行動学的検討にもとづく海馬と学習運動の関係についてのべる。本稿でとりあげられなかった多くの問題については,他の文献11,19,27〜29)を参照されたい。
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