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文献詳細

雑誌文献

生体の科学32巻2号

1981年04月発行

解説

海馬と学習運動

著者: 平野俊二1

所属機関: 1京都大学文学部心理学教室

ページ範囲:P.146 - P.154

文献概要

 およそ400年前に,解剖学者Arantiusは大脳皮質の内側に位置し,脳の前部にまたがる彎曲した形状の海馬構造がタツノオトシゴに似ているので,海馬(hippocampus)と名づけたといわれる。近年,海馬切除の臨床例が記憶障害をもたらすというScovilleとMilner61)の研究が端緒となり,動物による海馬機能の実験的検討を促してきた12,25,26,30,33)。海馬の解剖学的入出力系や細胞構造についてはかなり明らかにされてきたにかかわらず28,56,57),構造全体としての機能についてはまだ十分に理解されていない19,27)
 ここでは行動学的検討にもとづく海馬と学習運動の関係についてのべる。本稿でとりあげられなかった多くの問題については,他の文献11,19,27〜29)を参照されたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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