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実験講座
カイニン酸を用いる脳組織の破壊法について
著者: 永雄総一1
所属機関: 1東京大学医学部第1生理学教室
ページ範囲:P.162 - P.170
文献購入ページに移動 グルタミン酸の強力な協働物質であるカイニン酸を神経組織に注入すると,神経細胞体と樹状突起に存在する興奮性アミノ酸のレセブターに作用し,その細胞膜を持続的に強く興奮させ,細胞体・樹状突起を破壊するが,注入部位を通過する線維やシナプス前軸索には殆ど影響を与えない。さらに破壊される細胞にもある程度までは選択性が見られるという。このようなカイニン酸の特徴的な毒物作用を応用すれば,従来の吸引のような機械的方法や,電気凝固のような破壊実験よりも,さらに選択性の高い破壊実験が可能になる。ここでは現在まで報告されているカイニン酸の薬物作用,毒物学的作用機序,破壊実験の実例について検討し,併わせて我々の教室における実験を紹介する。
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