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文献詳細

雑誌文献

生体の科学32巻3号

1981年06月発行

文献概要

特集 リポプロテイン 総説

リポたんぱく質の構造

著者: 猪飼篤1

所属機関: 1東京大学理学部生化学教室

ページ範囲:P.202 - P.208

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 最近は子供達が食べ物をとりあうという光景も少なくなって世の中が本当に豊かになったと思う事が多い。又一面,少々のものをおみやげに持っていっても眼を輝かせて喜ぶという事もなくなってしまった。なんだ,又シュークリームか,というような具合で面白くない事甚しい。このように食生活が豊かになると子供達の血液の化学組成も大分変化するようであり,"コレステロールっ子""都会で5人に1人"などという新聞の見出しが目に入るようになる。もっとも原因はあまり高級な食品の普及にあるのではなく,インスタント食品のせいらしいが,いずれにしても,こういう子等が将来,動脈硬化,心臓病等の成人病予備軍となる,というような談ものっており,血液中にコレステロールが多いのはよくないのだという事は,市井の人々にもよく普及した知識となっている。
 私には血中の脂質の成分の変化や量的な変動がどの位成人病の原因になるのかは全くわからないが,血清リポたんぱく質というものに興味を持って,そのたんぱく化学的な構造研究について取組んでいるので,最近の話題や自分の研究について御紹介しようと思う。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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