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文献詳細

雑誌文献

生体の科学32巻3号

1981年06月発行

文献概要

特集 リポプロテイン 総説

小腸における脂質吸収とキロミクロンの形成

著者: 太田英彦1

所属機関: 1浜松医科大学生化学第2講座

ページ範囲:P.223 - P.233

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 小腸は独自のリポプロテインを合成できる肝臓以外の唯一の臓器であり,リポプロテインは,脂質の吸収に密接な関係をもって合成されている。
 脂質の吸収過程を追う研究は,光学・電子顕微鏡による形態学的知見を基に進められてきた感がある。ことに,吸収された脂質の行方が電子顕微鏡で追えるため,他の物質の吸収とは違ってその過程について仮説が立てやすいことが特色であった。その様な仮説を補強する生化学的な知見も加え,広義の脂質の吸収は大きく数段階に分けて考えられる様になっている(図1)。即ち(a)管腔内での消化と吸収上皮細胞内への移動,(b)上皮細胞内での再合成,(c)リポプロテイン成分の合成とリポプロテイン粒子の形成,(d)細胞内での移動,(e)上皮細胞外への分泌,(f)リンパ管内へのリポプロテイン粒子の移動,がそれらの段階である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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