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文献詳細

雑誌文献

生体の科学32巻3号

1981年06月発行

文献概要

解説

グリコシル化ヘモグロビン(HbA1c)と糖尿病

著者: 浅倉稔生1

所属機関: 1Biochem.& Biophysics, Children7s Hospital of Philadelphia, University of Pennsylvania

ページ範囲:P.242 - P.249

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 糖尿病は膵臓から分泌されるインシュリンの不足によって起こる病気で,血液中のブドウ糖が異常に上昇し,尿中にも多量のブドウ糖が排泄され,適切な治療を行わなければ患者は種々の合併症を起こして死亡する。
 糖尿病の診断は,従って患者の血中又は尿中のブドウ糖のレベルを測ることにより,比較的容易に行うことができる。この方法の問題点は,血中又は尿中のブドウ糖値が,食事の内容や,時間,運動,インシュリン使用等色々の要因により影響されることで,ブドウ糖のレベルだけから病状を判定することが困難なことである。殊に糖尿病患者を外来患者として取り扱う場合,応々にして患者は検査前に食事を控えたりインシュリンを使ったりして病院に現れることが多く,血糖値を作為的に変えるケースが見られ,これまで医師の側からこういう患者の作為を見抜く適当な手段がなかった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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