文献詳細
文献概要
実験講座
真性粘菌ミトコンドリア核の単離とその特性
著者: 鈴木孝仁1 黒岩常祥2
所属機関: 1名古屋大学医学部医真菌研究施設 2基礎生物学研究所
ページ範囲:P.270 - P.276
文献購入ページに移動しかるに黒岩らは,真正粘菌Physarum polycephalumのミトコンドリアにおいて,その中心に電子密度の高い1個の核様構造があり,その核は32〜64本のミトコンドリアDNAがタンパク質やRNAと共に複合体を形成したものであることを明らかにした4〜6)。さらに他の生物のミトコンドリアや葉緑体でも,多かれ少なかれ,細胞小器官DNAはタンパク質分子によって組織化され,核構造をとっていると主張してきた7)。黒岩によれば,これら細胞小器官の核様体は,その電子密度の相違や形態的特徴から,陰性核様体(negative nucleoid,electron transparent nucleoid)と陽性核様体(positive nucleoid,electron dense nucleoid)の2種に分類される5)。
掲載誌情報