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文献詳細

雑誌文献

生体の科学32巻3号

1981年06月発行

文献概要

談話 コンファレンス・ディナー研究集会

進化する脳(1)—脳と心

著者: 久保田競1 植木幸明2

所属機関: 1京都大学霊長類研究所神経生理部 2新潟大学脳研究所

ページ範囲:P.281 - P.285

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 食事の後,酒も程よくまわって気持ち良くなられたところで,予定の講演に移りたいと思います。私の司会も3度目になりましたが,うまくやり通す自信はありませんが,今回は「進化する脳」という非常に大きな題を掲げております。過去何十億年にわたって生きてきた生物の個体の歴史を,脳を中心に考えると言う事になる訳でございます。
 人間の方から「進化する脳」と言うものを考えてみますと,第1は大脳化と言われている事で,系統発生的に新しい所が脳の高いレベルの所にでき,大きくなって,新しい機能がつけ加わる。第2は,大脳半球の側方化(hemispheric lateralization)とか相補的特殊化(complimentary specialization of hemispheres)とか言われている事で両半球の対応する場所はそれぞれ特殊に機能するようになったという事,分化が起こったという事だと思います。側方化では感覚機能だけでなく運動機能にもみられ,利き手が起こってきます。このような事がどうして起こったかと言うような事が,今日先生方のお話を聞いて分かってくると,広い視野で脳をみる事ができ,今後の脳研究に役立つんだと思います。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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