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文献詳細

雑誌文献

生体の科学32巻4号

1981年08月発行

文献概要

特集 膜の転送 総説

細胞膜流動性と細胞機能

著者: 大沢利昭1

所属機関: 1東京大学薬学部生体異物・免疫化学教室

ページ範囲:P.300 - P.306

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 生命の最小単位である細胞におこる種々の現象は,細胞と外界とを仕切る細胞形質膜の動的構造の変化によりコントロールされている。細胞は,細胞外の環境の情報を細胞膜の特異的構造でとらえ,細胞膜の動的構造の変化を介してこの情報を伝送し,細胞質における中間代謝,あるいは核における変化を誘起し,外界情報に対応した変化を遂げる。細胞膜はSingerとNicolsonのfluid mosaic modelで見られるように極めて流動的なリピド2重層中に蛋白質が氷山のように浮いた構造をもつものと考えると,細胞膜における現象の多くが説明されるが,細胞膜の動的構造変化は,この細胞膜流動性に依存し,その変化によりコントロールされるものと考えられる。
 本稿では,細胞膜流動性変化の機構と,その細胞活性化機構へのつながりについて,最近得られた知見の一部を紹介することにする。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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