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特集 膜の転送 総説
膜の再循環—シナプス機能を中心として
著者: 門田健1 門田朋子2
所属機関: 1東京都精神医学総合研究所神経化学 2千葉大学医学部解剖学教室
ページ範囲:P.325 - P.335
文献購入ページに移動小胞仮説は,シナプス小胞こそAChの量子的放出の形態的基礎であると考えている。図1aに見るように,シナプス前終末には特徴的に,多数のほぼ均一な径(50nm)をもったシナプス小胞が存在している。このシナプス小胞1個が1量子分のACh分子(数千〜数万個)を含むと考えるわけである。こう考えれば,予め合成・貯蔵されているAChの量子化が説明し易い。また刺激に応じて各量子が相互独立的に放出されること,そしてまたある瞬間のACh放出量が量子的整数倍になることも説明し易くなる8,20,43)。見方によれば,小胞仮説とはシナプス前からの電気的にコントロールされ,量子的に規格化されたAChの外分泌を考えるものともいえる。小胞仮説が成立するためには次の条件が充たされる必要がある。
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