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文献詳細

雑誌文献

生体の科学32巻5号

1981年10月発行

文献概要

特集 ペプチド作働性シナプス 総説

P物質作動性シナプス伝達

著者: 大塚正徳1

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部薬理学教室

ページ範囲:P.409 - P.416

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 ペプチド作動性シナプス伝達,あるいはペプチド性伝達物質の概念は最近約10年の間に急速に発展し,ある程度の信頼を得るに至ったものである。いわゆるペプチド性伝達物質のなかでもsubstance P(SP, P物質)は最も古い歴史をもち,その発見1)以来,今年で丁度50年になる。SPは神経伝達物質neurotransmitterであろうか?また,神経組織中に見出される多数の神経ペプチドは神経伝達物質であろうか,それとも神経調節物質neuromodulatorであろうか?このような問いかけが最近しばしばなされているが2,3),それに対する答えはsemanticな問題であるといわれる4,5)。つまり伝達物質の定義によるというのである。しかし,これだけでは読者の十分な納得は得られないであろう。現在,いくつかのペプチドに関しては,それが伝達物質であるかどうかについて,もっと具体的な答えを与え得るように思われる。以下,SPを中心に,その伝達物質としての現状を分析し,またSP作動性シナプス伝達をめぐる新しい知見,さらにSP以外のペプチド性伝達物質についても簡単に触れる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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