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文献詳細

雑誌文献

生体の科学32巻5号

1981年10月発行

文献概要

特集 ペプチド作働性シナプス 総説

オピオイド・ペプチド及びキョートルフィンの脳内分布と鎮痛作用機序

著者: 高木博司1

所属機関: 1京都大学薬学部薬理学教室

ページ範囲:P.417 - P.424

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 Ⅰ.オピオイド・ペプチドの多様性とその分布
 1975年Kosterlitzグループ1)によりブタ脳からmethionine-enkephalin(met-enk)及びleucine-enkephalin(leu-enk)が単離され,その化学構造が明らかにされた。それ以来表1に示したような多数のオピオイド・ペプチドが脳から分離されており,その数はさらに増加の傾向にある(各々の文献は筆者の綜説27)参照)。これらすべてのオピオイド・ペプチドが脳の中でそれぞれ固有の生理的役割を演じているのか,あるいは,ある種のものは抽出過程で生じた「人工産物」なのかなど今後整理すべき点が残されている。
 ナビオイド・ペプチドの生理作用を知る上で,重要な手掛かりになるのはその脳内分布,細胞内分布である。さらにこのペプチドの神経伝達物質としての可能性を考える上で,生合成,貯蔵,遊離,分解(不活性化),生理・薬理作用などの知見も重要である。表1に示したペプチドのうち,上記の諸知見が比較的豊富なのはmet-及びleu-enkであり,次いで,β-endorphin,(β-end)kyotorphin,dynorphinなどである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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