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文献詳細

雑誌文献

生体の科学33巻1号

1982年02月発行

文献概要

特集 細胞核 総説

クロマチンならびに染色体の高次構造—ネットワーク連続構造

著者: 渡部真1

所属機関: 1都立アイソトープ総合研究所放射線障害研究室

ページ範囲:P.10 - P.20

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 Ⅰ.細胞のネットワーク連続構造
 細胞学草創期のVon Mohl(1846)以来,最近の教科書や解説書に至るまで,細胞の基本構造体として,‘原形質protoplasm’をコロイド粒子の流動体とみなす既成通念は,いまだにはなはだ根深いものがある,しかしながらヒトをはじめとする高等動植物の細胞(真核細胞)の細胞核内ならびに細胞質内の基本構造は,原形質説が長年の間,暗黙の前提として想像していたような単なるコロイド状の流動体ではなく,微細な三次元網目状連続構造を骨組みとしていることが明らかになりつつある。
 すなわちコロイド状粒子からなると仮定されてきた細胞質の基質は,高分解能の超高圧電子顕微鏡その他によって最近明らかにされつつあるように,極めて細い(直径約6nm),タンパク質繊維からなる三次元網目格子(微細梁格子microtrabecular lattice)および微細な繊維束(微小管microtubuleなど),いわゆる‘細胞骨格cytoskeleton’を基本としている1〜4)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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