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文献詳細

雑誌文献

生体の科学33巻1号

1982年02月発行

文献概要

特集 細胞核 総説

核膜と核マトリックスの構成と機能

著者: 上田潔1 中安博司1

所属機関: 1滋賀医科大学生化学第2講座

ページ範囲:P.38 - P.46

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 真核細胞と前核細胞との差異は,なによりも前者において,遺伝物質を中心とする細胞の上部構造が核膜に包まれ,細胞質と区分されていることである。したがって,核膜とそれに連なる核内構造物の問題は,真核細胞の細胞生物学的および分子生物学的特徴を解明・理解するうえで避けられない課題にあげられる。
 ウニ卵母細胞における核膜の形態的特徴は,Afzelius(1955)1)により初めて明らかとなったが,その核は二重膜に包まれ多数の核膜孔が貫いていた,このような構造が核膜の一般的特徴であるが,核膜そのものの存在は電子顕微鏡が使える以前から顕微解剖により確かめられ,核の形態はこの膜で支えられているものと考えられていた。ところが最近にいたり,二重膜をはがした後にも核がその球状形態を保持し,核マトリックス(nuclear matrix)とよばれる構造物がこれを支えており,核膜の機能にとって重要と考えられる核膜孔装置(pore complex)もそこに残ることが判つた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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