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文献詳細

雑誌文献

生体の科学33巻1号

1982年02月発行

文献概要

解説

蛋白質によるDNAのunwinding

著者: 吉田充輝1

所属機関: 1東北大学農学部生物化学研究室

ページ範囲:P.58 - P.65

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 Ⅰ.DNAの構造を調節する蛋白質
 DNAの変性が加熱,酸アルカリ処理,イオン濃度の減少,脱水,その他種々の物理化学的手段で起こることは古くから知られている。一方,最近の研究により,原核細胞,真核細胞を問わずDNAに結合し,その構造を変化させる種々の蛋白質が見出され,これらはDNAやクロマチン構造の保持,DNAの複製,組換え,転写およびそれらの調節との関連において注目を集めている。
 このDNAの構造を調節する蛋白質を大別すると,非酵素的に働くものと触媒としての酵素として働くものとに分けられる。非酵素的に働くものとして,真核細胞に存在するヒストンやある種の非ヒストン蛋白質,大腸菌のDNA結合性蛋白質Ⅱ1),H蛋白質2)等主として2本鎖DNA(以下dsDNAと略)に結合するものと,DNA unwinding蛋白質3),helix destabilizing蛋白質4),DNA melting蛋白質5),DNA extending蛋白質6),1本鎖DNA結合性蛋白質7)等と呼ばれる1本鎖DNA(ssDNA)に親和性の高い蛋白質とに分けられる。dsDNAに結合する蛋白質はDNAの構造維持に主として関与し,RNAポリメラーゼや調節蛋白質が機能しやすいようにその構造を保持するものと考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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