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細胞の形態と極性
著者: 藤田道也1
所属機関: 1浜松医大・生化
ページ範囲:P.172 - P.173
文献購入ページに移動 細胞の極性は古く(例Cowdry, 1922年)から問題にされているが,最近新たにとりあげられるようになっているのは周知の事実である。ここでは,細胞の極性あるいは細胞のかたちと細胞分化や細胞骨格あるいは細胞内高分子代謝との関係にしぼって最近目についた文献を調べ,つなぎ合わせてみた一種のプレリミナリーな総説を試みたい。
細胞の極性の典型的な例は小腸や腎尿細管の吸収上皮細胞にみられるものである。これらでは形態学的,生理学的,生化学的に細胞の極性が歴然としていて,細胞表面膜の局所的分化として表現されている。細胞の極性(あるいは局性)は上皮細胞だけでなくfibroblastのような細胞にもみられる。細胞の極性は細胞の形態だけでなく,細胞小器官の配置にもみられる。創傷治癒部に侵入するfibroblastは結合線維束に長軸が平行し,進行方向前方に核がその後方にゴルジ装置が位置する1)。
細胞の極性の典型的な例は小腸や腎尿細管の吸収上皮細胞にみられるものである。これらでは形態学的,生理学的,生化学的に細胞の極性が歴然としていて,細胞表面膜の局所的分化として表現されている。細胞の極性(あるいは局性)は上皮細胞だけでなくfibroblastのような細胞にもみられる。細胞の極性は細胞の形態だけでなく,細胞小器官の配置にもみられる。創傷治癒部に侵入するfibroblastは結合線維束に長軸が平行し,進行方向前方に核がその後方にゴルジ装置が位置する1)。
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