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特集 神経発生の基礎 総説
特集「神経発生の基礎」によせて
著者: 塚原仲晃1
所属機関: 1大阪大学基礎工学部
ページ範囲:P.176 - P.176
文献購入ページに移動 脳の神経回路網は,永年の歳月をかけて自然が創り出した傑作といえるが,それだけに,これを解明することは近年の神経科学の進歩をもってしても容易ではない。脳が如何なるものかを知る1つの方法は,それが如何に創られるかについての原理を問うことである。一旦その原理が明らかになれば,その原理に照らして現存する脳の複雑な回路網を考える大きな指針が与えられるであろう。このとき,問題となるのは回路網を構成している神経細胞がどのようにしてその標的細胞を認識し,それと結合していくかということである。
神経結合の形成はいくつかの過程から成立っている。先ず神経線維が何らかの信号によって伸長せねばならない。次に結合すべき標的を認識してこれに接近する過程があり,標的となる細胞のシナプス結合を行なうべき部位を識別する過程,そこに結合が形成され,これが維持される(あるいは消失する)過程があって,神経回路網は完成する。
神経結合の形成はいくつかの過程から成立っている。先ず神経線維が何らかの信号によって伸長せねばならない。次に結合すべき標的を認識してこれに接近する過程があり,標的となる細胞のシナプス結合を行なうべき部位を識別する過程,そこに結合が形成され,これが維持される(あるいは消失する)過程があって,神経回路網は完成する。
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