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文献詳細

雑誌文献

生体の科学33巻3号

1982年06月発行

文献概要

特集 神経発生の基礎 総説

シナプスの初期発生

著者: 中島泰子1

所属機関: 1

ページ範囲:P.186 - P.193

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 シナプスの発生を正確に知るためには,シナプスの形態発生をシナプスの機能発生と密接に関係づけて研究することが必要である。この目的には,エンブリオの神経筋組織自体は,その可視性が悪いこと及び構造が複雑なため良い研究材料でないが,エンブリオの組織を培養して形成したシナプスは光学顕微鏡による観察が容易で,発育していくシナプスの機能と微細構造を,光学顕微鏡を用いて観察した同一のシナプスについて研究することが出来るという利点がある。特に培養による神経筋シナプスの作成は,中井1),加濃と嶋田2),Robbinsと米沢3),Cohen4),Fischbach5),城所とHeinemann6)らにより可能となり,最近では多くの研究者によりシナプスの初期発生を研究する目的に使用されている7〜12)。私達の研究室では培養によって形成された神経筋シナプス及び培養した筋細胞を用いて,神経筋シナプス及びacetylcholinereceptorの発生を研究している。私達が特に興味を持っている問題は,発生途上始めて機能的神経筋シナプスが形成された時,また発生途上始めてacetylcholine receptorが筋細胞膜に出現した時,それらがどのような微細構造と生理学的機能を持っているかという事である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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