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文献概要
特集 神経発生の基礎 総説
網膜・視蓋投射路の発生と再生
著者: 藤沢肇1
所属機関: 1京都府立医科大学第2解剖学教室
ページ範囲:P.203 - P.210
文献購入ページに移動神経回路網の成立機序を解析するに際し,2つのアプローチの仕かたがある。1つは,実験系を極力単純化・均一化し,限定された問題に対して明確な答を引き出す方法である。培養された神経細胞を用いての解析がこの代表であり,これにより,神経細胞の様々な性状や,神経突起の成長のメカニズム,あるいはニューロン間の接着やシナプス形成に関する基本的な問題が解明されてきている。もう一方は,in vivo,ないしはin vivoでの3次元的な構造を極力損なわないような実験系を用いて解析を行なう方法である。生体内では,個々のニューロンはきわめて規則正しく配列しており,これらニューロン相互の組み合わせ(神経回路網)はそれぞれの神経系に特有なパターンを示している。ニューロン相互の組み合わせパターンは個体発生の過程できわめて再現性が高く,これが動物の行動発現の基盤となっている。
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