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文献詳細

雑誌文献

生体の科学33巻3号

1982年06月発行

文献概要

談話 コンファレンス・ディナー研究集会

脳と人間(1)—脳と人間を同じことばで語ることができるか

著者: 塚原仲晃1 久保田競2 台弘3

所属機関: 1大阪大学基礎工学部 2京都大学霊長類研究所 3東京大学

ページ範囲:P.243 - P.249

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 塚原 デザートも出はじめましたので,この辺で始めさしていただきたいと思います。どうぞお食事を食べながら,最初は司会者が少しウォーミングアップということで何かしゃべっておりますので,そのままお食事をつづけていただきたいと思います。
 今日の題は「脳と人間」ということで,脳のほうはそのものズバリでありますが,人間というのはこれは非常に難しいんでありまして,定義が問題で,それをあまり高等な所に置きますと,この中でも落ちこぼれる人がだいぶ出てくるんじゃないかと思います。ですから定義が非常に難しゅうございまして,例えば南洋の土人にも,あるいはエスキモーにも共通した何か,人間というので何かないかというふうに考えます。いちばん手近な所でいきますと,どこでも共通しているのは,食事をするとき,一口食べますとその後ぐるっと周りを見渡すんだそうです。それはだれか自分の食事を取りにくるんじゃないかというような感情が,非常に共通したもののようでございます。そこで私,食事中の皆さんを見てたんですけれど,なかなか皆さんそういうことをお遣りにならないんで,そういう定義もどうも余りうまくない。それからもう1つは,笑う前にまゆ毛をキュッと上げるのが人間のようでございまして,これは非常に生物的な現象でございますから,これはおそらく皆さん共通したものでないかと思います。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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