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温度感受性ヒストン・リン酸化欠損変異細胞
著者: 山田正篤1
所属機関: 1東京大学薬学部生理化学教室
ページ範囲:P.298 - P.307
文献購入ページに移動 大腸菌やファージのような原核細胞を使った分子生物学の進歩には遺伝学の関与が重要であったことは言うまでもないであろう。そして,そのことが同時に遺伝学そのものを大きく塗りかえることにもなり,現在の遺伝工学へと発展していったのである。
私たちは,これまで培養動物細胞を使って真核細胞の細胞周期の研究を進めてきた。御存知と思うが,試験管内に長い間継代培養されたHeLaのような樹立細胞系は単細胞生物と同様な扱いが可能であり,薬剤耐性などの突然変異株が分離されてきた。このような状況下で,培養細胞を材料として突然変異株を分離し,それを細胞周期制御の研究に利用することは当然行なわなければならない仕事の方向であった。その結果として,われわれは培養マウス乳がんFM3A細胞から,高温でH1ヒストンのリン酸化が特異的に阻害される温度感受性突然変異株(ts85株)を分離し,これを用いてH1ヒストンのリン酸化が細胞周期の進行に果す役割を追求してきた1〜6。
私たちは,これまで培養動物細胞を使って真核細胞の細胞周期の研究を進めてきた。御存知と思うが,試験管内に長い間継代培養されたHeLaのような樹立細胞系は単細胞生物と同様な扱いが可能であり,薬剤耐性などの突然変異株が分離されてきた。このような状況下で,培養細胞を材料として突然変異株を分離し,それを細胞周期制御の研究に利用することは当然行なわなければならない仕事の方向であった。その結果として,われわれは培養マウス乳がんFM3A細胞から,高温でH1ヒストンのリン酸化が特異的に阻害される温度感受性突然変異株(ts85株)を分離し,これを用いてH1ヒストンのリン酸化が細胞周期の進行に果す役割を追求してきた1〜6。
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