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特集 成長因子 総説
上皮細胞の増殖と成長因子
著者: 山田雅保1 沖垣達1
所属機関: 1重井医学研究所細胞生物部門
ページ範囲:P.381 - P.388
文献購入ページに移動 細胞培養技術は近年非常な進歩を遂げているが,上皮細胞の培養に関しては間葉細胞のそれに比べてまだまだ困難を極めている。その原因として,①上皮細胞の増殖に必要とされる物質(因子)が,血清および生物学的に不活性基質(プラスティックやガラス)を必要とする従来の培養系では完全には作用しえないこと,②初代培養の場合において,最初から混在している間葉細胞が優位に増殖するため,結果として上皮細胞の増殖が抑えられてしまうこと,などが考えられる。
これらの技術上の問題点を克服するために,無血清培養法の開発,つまり血清にかわる増殖促進因子の発見と精製に関する研究や,また各種増殖因子とホルモンの組み合わせを試みる研究が進められている。また,上皮細胞はin vivoで間葉細胞あるいは基底膜との相互作用で増殖の調節を行なうことから,その相互作用の機序をin vitroで利用あるいは再現する研究も進められている。これらの研究の進歩によって,最近の上皮細胞の培養技術は飛躍的に進歩してきている。
これらの技術上の問題点を克服するために,無血清培養法の開発,つまり血清にかわる増殖促進因子の発見と精製に関する研究や,また各種増殖因子とホルモンの組み合わせを試みる研究が進められている。また,上皮細胞はin vivoで間葉細胞あるいは基底膜との相互作用で増殖の調節を行なうことから,その相互作用の機序をin vitroで利用あるいは再現する研究も進められている。これらの研究の進歩によって,最近の上皮細胞の培養技術は飛躍的に進歩してきている。
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