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文献詳細

雑誌文献

生体の科学33巻5号

1982年10月発行

文献概要

特集 成長因子 総説

ソマトメジンの作用と作用機作

著者: 加藤幸夫1 鈴木不二男1

所属機関: 1大阪大学歯学部生化学教室

ページ範囲:P.389 - P.395

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 成長ホルモンの骨,軟骨への作用は,直接の作用ではなくソマトメジン(SM)と呼ばれる一群のポリペプチドを介していると考えられている。現在までに数種のソマトメジンが精製され,軟骨成長促進作用以外に種々の動物培養細胞の増殖を促進しかつインスリン様作用を発現することが知られている。ところが最近,SMと成長ホルモンの関係は従来考えられていたほど密接ではないことが判明してきた。例えば妊娠中では成長ホルモン欠損症の患者でも血中SM値が上昇すると報告されている1)。さらに種々の腫瘍細胞や胎児期の組織が自律的にSM様ペプチドを産生することが明らかになった2〜6)。SMは以前,軟骨への35SO42-のとり込みを促進するという意味から"sulfation factor"と呼ばれていたが,1972年にDaughadayらは成長ホルモン(ソマトトロピン)の作用を仲介(mediate)するという意味でソマトメジンと改名した。しかし,SMと成長ホルモンの関係には未だ不明な点が多い。いずれにせよ,本稿では,筆者らの軟骨培養細胞を用いた研究も含めて,種々の組織でのSMの作用および作用機作について最近の知見を述べたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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