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特集 腸管の吸収機構
小腸刷子縁膜の糖/Na+共輸送系の再構成と担体の分子的性質
著者: 亀山亜砂子1 星猛1
所属機関: 1東京大学医学部第2生理学教室
ページ範囲:P.22 - P.27
文献購入ページに移動 小腸における糖吸収系には,単糖を強い濃度勾配に逆らって管腔側(粘膜側)の液から能動輸送するD-glucose-D-galactose系(別名aldohexose系)と,促通拡散の様式によって輸送するfructose系(別名ketohexose系)とがある。前者(aldohexose系)による糖の能動的な吸収は,小腸上皮細胞の管腔に面した側の刷子縁膜(brush border membrane,BBM)に存在する糖/Na+共輸送担体(cotransport carrier)によって上り坂に管腔側から細胞内に糖をとり込み,次いで細胞内に蓄積された糖が細胞の側底膜(basolateral membrane,BLM)にある単輸送担体(uniport carrier)を通して下り坂に出て行く機構によっている。
糖/Na+共輸送担体による糖の上り坂輸送の特性については,すでに多くの観察があり,糖は常にNa+と1:1の連結比で輸送されること,Na+に依存した二次性能動輸送(secondary active transport)の機構によっていることが確立されている1)。すなわち同担体による糖の上り坂輸送は粘膜側液中にNa+が存在し,側底膜のNa+/K+ポンプ活性が正常であることが必須条件である。
糖/Na+共輸送担体による糖の上り坂輸送の特性については,すでに多くの観察があり,糖は常にNa+と1:1の連結比で輸送されること,Na+に依存した二次性能動輸送(secondary active transport)の機構によっていることが確立されている1)。すなわち同担体による糖の上り坂輸送は粘膜側液中にNa+が存在し,側底膜のNa+/K+ポンプ活性が正常であることが必須条件である。
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