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文献詳細

雑誌文献

生体の科学34巻1号

1983年02月発行

文献概要

特集 腸管の吸収機構

小腸微絨毛膜Na・糖共輸送系の生化学的同定

著者: 武居能樹1

所属機関: 1名古屋大学環境医学研究所

ページ範囲:P.28 - P.32

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 膜輸送担体の単離・同定のためには,分子遺伝学的解析は別にして,2つのアプローチがある。第1はいわゆる再構成法である。第2は膜に種々の処理を施して,輸送機能と膜成分の変化を対応させていくやり方である。後者の中で有力なのが,輸送担体に特異的に結合すると考えられる試薬を用いて,それの結合を指標にして精製を行う方法である。この例として,拮抗的阻害剤サイトカラシンBの結合活性を利用したヒト赤血球膜D-グルコース輸送担体の単離1)がある。しかし,第2のアプローチの場合でも,最終的には再構成法による膜輸送機能の検定が必要になる2)。再構成法については本特集で亀山・星3)が解説しているので,ここでは第2の方法による小腸微絨毛膜のNa・糖(D-グルコース)共輸送系の研究について述べる。それぞれの実験条件の下での実験結果は確かであるとしても,それの解釈や結論のうち,留保なしに受け入れることのできるものは少ないというのが現状であろう。そこで,先ずそれぞれの研究者の主張に沿った論述を行い,その後で問題点を指摘するという形で稿を進めたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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