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文献詳細

雑誌文献

生体の科学34巻1号

1983年02月発行

文献概要

特集 腸管の吸収機構

小腸吸収細胞小胞体膜—Ussing 第3モデルの生化学的検証

著者: 藤田道也1

所属機関: 1浜松医科大学生化学第2講座

ページ範囲:P.33 - P.38

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 1974年 University of Kentuckyで開かれた"Intestinal absorption and malabsorption"と題するするシンポジウムに招かれたH. H. Ussingが,その席で上皮細胞輸送について歴史と展望を述べている1)。その中で彼は彼自身らのCopenhagen groupが手がけてきた上皮輸送の"モデルづくり"について手短かにまとめている。それによると,その複雑さの程度に応じてモデルの発展は3段階に分けられる。第1は"black box"モデルであり2),これは上皮細胞の内部にはふれずに上皮を全体として通過する流れを問題とし,short-circuiting techniqueが用いられる3)。第2のモデルは有名な"two membrane"モデルであり4),体内側と体外側の細胞膜がイオンの選択性と能動輸送機構を異にしており,事実を説明するのに大成功を収め,生理学的・細胞化学的・生化学的にも実証されたモデルである。第3の,そして最も複雑度の高いモデルは,two-membraneモデルを細胞(内)外のshunt pathwayで補強し5),隣接細胞間の共役を考慮したモデルである5,6)。それだけではなく,Ussingはさらにこのモデルを複雑にする。中でも彼が重視するのはカエルの皮膚のみならず一般の上皮細胞の浸透調節と輸送における小胞体系の役割である7)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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