icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学34巻2号

1983年04月発行

文献概要

実験講座

高分解能走査電子顕微鏡法

著者: 田中敬一1

所属機関: 1鳥取大学医学部解剖学教室

ページ範囲:P.143 - P.149

文献購入ページに移動
 走査電顕が実用に供されるようになって十年余りになるが,もともとこの器械は医学生物学用に造られたのではなく,集積回路の検査用として誕生した。従って分解能はそれ程要求されなかったし,又,理論的にも,電子線が試料にあたった後,その内で拡散することから,分解能の限度は30Å止まりとされ,透過電顕程には研究機器として期待されなかった。
 医学生物学への応用は,器械の出現後すぐに始ったのであるが,上述の理由から,光学顕微鏡と電子顕微鏡の間をつなぐもの,すなわち電子ルーペとして期待され,研究対象も主として器官,組織オーダーの構造が用いられた。無論,この領域においても,走査電顕は透過電顕と異なり表面構造の観察に有利であること,又3次元的な像を与える事などから,脾,肝臓などで新しい研究が行われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら