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文献詳細

雑誌文献

生体の科学34巻2号

1983年04月発行

コミニケーション

基質とカルシウム

著者: 山口寿夫1

所属機関: 1慶応大・病理

ページ範囲:P.161 - P.163

文献概要

 近代病理学がVirchowの"Zelluläre Pathologie"を基礎としていることは衆知の事実であるが,その基本となる考え方は,細胞や細胞の集団の動態を総ての生体反応の基盤とし,それらを通じて生命現象や疾病のあり方を理解しようとするものである。他方これらの細胞の周囲を囲続する基質については,それが極めて形態学的にとらえ難いものであり,又均質的構造を有していることから,今日にいたるも尚病理学領域では比較的等閑視され,僅かに生化学的定量や各種の特殊染色によってその存在と性状の変化をうかがうにとどまって来た。しかしながら,生体反応に於ける細胞の役割はいうまでもなく不可欠な要因であるとしても,なお生体反応の場に於けるmediumとしての基質の役割を全く無視し得ず,今後この領域での研究はその重要性を益々増してくることは当然である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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