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実験講座
コンピューター方式によるビデオ増感コントラスト顕微鏡
著者: 竹中敏文1
所属機関: 1横浜市立大学医学部第1生理学教室
ページ範囲:P.401 - P.404
文献購入ページに移動 生物の組織や細胞の微小形態の動的変化を生きたままで追求していくことは,我々生理学を研究するものにとって1つの夢である。生きた細胞の形態的生理的変化の研究には,光学顕微鏡が主としてもちいられてきた。顕微鏡の精度も光学の発展によりどんどん良くなってきた。分解能が上がると微細構造が見えるようになるが,そこで障害につき当たった。それは,拡大して組織をみようとすると,無色透明であり,明暗の差や色の差がないため構造がよくみられないことであった。これを解決する方法として発明されたのが,位相差顕微鏡であり,微分干渉顕微鏡であった。一般に原形質の各部分は,屈折率や厚みの差があり,これを直進した波は位相の変化をうける。これらの顕微鏡は,この位相変化を光の振幅の差,すなわち明暗の差に変えたものである。これらの顕微鏡により,標本を染色することなしに,生きたまま観察することが出来るようになった。このようにして,微細構造が見えてくると,次に望むものは,少しでも微小なものをみようということである。現存する光学顕微鏡の中ではCarl ZeissのAxiomatは,こうした顕微鏡の中でも特にすぐれたものである。機械の手動部分を改良して焦点の安定性をよくするとともに,重量を非常に大きくして振動効果を減らしている。
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