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特集 蛋白質の代謝回転
蛋白質の代謝回転とその吟味
著者: 大村恒雄1
所属機関: 1九州大学理学部生物学教室
ページ範囲:P.418 - P.424
文献購入ページに移動 細胞内に存在する種々の蛋白質は,可溶性蛋白質も生体膜や細胞骨格などの構成成分となっている蛋白質も絶えず代謝回転している。細胞蛋白質の代謝回転は細菌を含む微生物から動物まで広く認められるが1,2),特に高等動物の組織については,酵素誘導が酵素蛋白質の代謝回転速度の変化によって起こる場合のあることがラット肝臓の酵素について1965年にSchimkeら3)によって報告されて以来注目を浴び,酵素誘導あるいは代謝調節を研究する際には関係する酵素について代謝回転速度を測定するのが通例となっている4)。
実験動物の臓器,特に肝臓については,これまでに数多くの酵素,蛋白質について代謝回転速度の測定結果が報告されている5)。しかし,全動物を用いての蛋白質の代謝回転の測定にはいろいろな問題があり,同じ臓器の同一の酵素についてかなり異なった測定値が報告されている例も多い。本稿では細胞蛋白質の代謝回転について簡単に解説した上で,実験動物を用いて細胞の全蛋白質または特定の酵素蛋白質の代謝回転速度を測定する場合の問題点について記述したい。
実験動物の臓器,特に肝臓については,これまでに数多くの酵素,蛋白質について代謝回転速度の測定結果が報告されている5)。しかし,全動物を用いての蛋白質の代謝回転の測定にはいろいろな問題があり,同じ臓器の同一の酵素についてかなり異なった測定値が報告されている例も多い。本稿では細胞蛋白質の代謝回転について簡単に解説した上で,実験動物を用いて細胞の全蛋白質または特定の酵素蛋白質の代謝回転速度を測定する場合の問題点について記述したい。
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