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文献詳細

雑誌文献

生体の科学34巻6号

1983年12月発行

特集 蛋白質の代謝回転

アセチルコリン受容体の代謝回転

著者: 城所良明1

所属機関: 1

ページ範囲:P.441 - P.447

文献概要

 我々は神経筋接合の形成に興味を持っており,長いこと電気生理学的に追求してきたが28),だんだんとアセチルコリン受容体そのものの性質,分布,代謝回転,制御などをもっと詳しく知らざるを得なくなってきた。したがって,我々は特に機能との関連において受容体の生化学的性質に興味を持っている。この綜説もその観点から書いてみた。もっと詳しい生化学的な記述は他の綜説を参考にしていただきたい2,22,26,41)
 神経筋接合形成の過程で神経は筋表面膜内のアセチルコリン受容体にたいしていろいろな作用をおよぼす。まず神経と筋が接触すると神経終末から放出されるアセチルコリンが受容体を活性化する。これが機能的神経筋伝達の開始である。ひきつづいて受容体の筋表面上での分布に劇的な変化がおこる.すなわち,それまで全体的に分布していた受容体が神経の接触した部分に集まってくる。これは受容体が膜中を移動しておこる現象であって,我々は神経によるアセチルコリン受容体の集合と呼んでいる。この時期では受容体は接合部も含めて代謝が速い。すなわち半減期が短く,ニワトリでは30時間ぐらいである。さらにずっと後になって(孵化後3週間)接合部の受容体は半減期がずっと長くなる(5日以上)12)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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