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特集 哺乳類の初期発生
哺乳類初期胚の放射線生物学
著者: 土門正治1
所属機関: 1東京医科歯科大学歯学部放射線学教室
ページ範囲:P.136 - P.139
文献購入ページに移動哺乳類,とくにマウスによる実験研究により,母体の子宮壁に着床する以前の初期胚,着床後の胚の器官形成期および胎仔の成長期に対する放射線影響として,それぞれ着床前後の胚致死,諸器官の奇形誘発および新生仔の死亡効果が報告されている。これらの効果は細胞致死効果に起因する。生き残った細胞が対象となる発癌,遺伝的障害については,胎仔被曝の実験研究は少ない。また,ヒトの胎児被曝の危険度推定に寄与する線量効果関係の洞察に基づいた定量的研究が少ないことを国連科学委員会は指摘している。
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