icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学35巻4号

1984年08月発行

文献概要

コミニケーション

脳内モノアミンと微小炭素電極によるin vivo voltammetry

著者: 加藤武1

所属機関: 1東京工業大学総合理工学研究科生命化学

ページ範囲:P.316 - P.317

文献購入ページに移動
 最近,筆者らの神経科学の分野において,多くのトピックスの中で,小さな台風の目として見られている方法が微小電極を用いたin vivo voltammetryによる脳内酸化還元物質の連続測定法である。
 その歴史を振り返ってみると,1971年に体内の酸素圧を測定したことが基礎となり,1973年Kissinger,Hart & Adamsが麻酔したラット脳内の酸化還元物質(主にアスコルビン酸)を連続的に測定する方法を発表し,脳内モノアミン類の測定に役立つであろうと述べた1)。彼らが予期したごとく,数年後このin vivo voltammetryにより脳脊髄液中のドーパミン代謝物をモニターしたとの報告がなされた2)。1980年の前後になり,ドーパミンとセロトニンを別々に測定できる電極(検出器)が開発され3),微小炭素電極を用いたin vivo voltammetryの幕開けとなり,選択性の高い電極が世界の各地で開発されている。図1は筆者らが最近作製した電極を用いて試験管内でドーパミンとセロトニンのそれぞれの代謝物であるジヒドロキシフェニル酢酸(DOPAC)と5-ヒドロキシインドール酢酸(5-HIAA)をdifferential pulse voltammetryによって測定したものである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?