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特集 中枢神経系の再構築
小脳への神経組織の移植
著者: 川村光毅1 鈴木満1 谷口和美1 二宮修也1
所属機関: 1岩手医科大学第1解剖学教室
ページ範囲:P.338 - P.347
文献購入ページに移動筆者らはネコやマウスを用いて,主として橋核小脳路18)やオリーブ小脳路17)の投射様式および構成について研究してきた。下オリーブ核から小脳皮質への投射にはネコ6,17)においてもマウス2),ラット13)においても精密な局在関係が存在している。また,前庭神経核や前庭神経節からの小脳投射は,完成した脳における構成をみる限り,原始小脳と呼ばれる古い小脳皮質の領域に大部分が投射している。このような投射パターンの構成はどのようにして形成されていくのであろうか。小脳求心線維の終末と標的細胞の関連の問題をどのように追求できるか。これらの点を考えてゆくうち,筆者らの関心は発生学的なものに近づいていった。昨年(1983年)末に,筆者らの一人(川村)は日本学術振興会の援助(特定国派遣事業補助金)を得てロンドンの国立医学研究所に十週間滞在し,Raisman博士らと共にラットの前庭神経節を小脳皮質の第X小葉に移植する実験を行った。
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