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文献詳細

雑誌文献

生体の科学35巻5号

1984年10月発行

文献概要

話題

まだ広がるアラキドン酸カスケード

著者: 清水孝雄1

所属機関: 1東京大学医学部栄養学教室

ページ範囲:P.384 - P.389

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 ノーベル医学生理学賞はカロリンスカ研究所内の選考委員会(委員長P. Reichard教授)で決定される。1982年10月11日の発表会場は世界各国からの報道人と多数の研究所員でうめつくされていた。毎年,この日が近づくと,研究所内では種々の噂や予想がとびかう。実際,この年は半数以上の人が「プロスタグランジン研究」を候補にあげ,この他モノクローナル抗体法,リポ蛋白代謝,抗体遺伝子,B. MaClintock女史(1983年受賞者),Caの機能,ヘムと酸素等々の分野での「候補者」が人人の話題にのぼっていた。選考委員長がBergström,Samuelsson,Vaneの三博士の名前を呼び上げたとき,会場から大きな歓声が上がった。日頃身内に厳しいスウェーデン人たちもこの受賞には大きな拍手を送った。
 筆者はたまたま1982年4月より2年間カロリンスカ研究所の化学教室に在籍し,Samuelsson教授の指導をうけ,また市庁舎での有名な「ノーベル晩餐会」をはじめとするいくつかの行事に出席する幸運をえた。本稿ではこの教室で見聞きしたことを中心に,アラキドン酸カスケードの研究の発展の歴史と今後の展望などについて書きまとめたい。研究室の具体的な紹介と筆者のスウェーデン印象記は先に拙著1)で書き述べた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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