文献詳細
特集 細胞毒マニュアル—実験に用いられる細胞毒の知識
神経系に作用するもの 軸索・興奮性膜作用薬
文献概要
古くからハチ毒には中枢神経興奮作用があることが知られていた。HahnとLeditschke(1936)はハチ毒をセロハンで漉した成分がマウスにけいれんを発生させると報告し,またGerlich(1950)はハチ毒の投与によりマウスの物理的刺激に対する感受性を増し,barbiturateによる睡眠時間を短縮すると述べている。HabermannとReiz(1965)はハチ毒を,生化学的方法によりhyaluronidase,phospholypase Aとpolypeptideに分離し,更にこのpolypeptideから低分子の塩基peptideを分離しこれをアパミン(apamin)と名付け,このアパミンに中枢神経興奮作用があると報告した。彼らはまた,アパミンのアミノ酸組成についても分析した。この結果はShipoliniら(1967)により追試され,彼らにより三つの主なpeptideの構造が決定され,更に遊離arginineの存在も確認された。
そしてHauxら(1967)やCallewaertら(1968)により二つのdisulphide bridgeの位置が決定された。
そしてHauxら(1967)やCallewaertら(1968)により二つのdisulphide bridgeの位置が決定された。
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