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文献詳細

雑誌文献

生体の科学35巻6号

1984年12月発行

文献概要

特集 細胞毒マニュアル—実験に用いられる細胞毒の知識 神経系に作用するもの 神経終末作用薬

ボツリヌストキシン

著者: 久保周一郎1

所属機関: 1北海道大学獣医学部家畜生化学講座

ページ範囲:P.438 - P.439

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 ■分類
 ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)の産生するボツリヌス毒素は抗原性の相違によりA,B,C1,C2,D,E,FおよびGの7型8種に分類されている1)。これらの毒性はいずれも現在知られている毒素のうちで最も強く,一つの菌株は一つの型の毒素だけを産生する。しかし,C型およびD型菌は1グループを形成し,抗原性の異なる3種の毒素(C1,C2,D)を産生すると考えられており,C1型毒素を最も多量産生する菌はCα型,またC2型あるいはD型毒素を最も多量産生する菌はそれぞれCβおよびD型毒素と命名された2,3)。最近,C1,C2およびD型毒素が精製され,それぞれの構造および生物活性が検討された結果,C2型毒素の構造はC1およびD型毒素のそれとは異なり4,5),さらにC2型毒素は神経組織には作用せずボツリヌス神経毒素の範疇には属さないことが明らかにされた6,7)。また,精製C1およびD型毒素に対する単クローン性抗体とそれぞれの毒素との交叉反応性から,C1およびD型毒素間には多くの共通抗原部位が存在することが判明した8,9)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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