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文献詳細

雑誌文献

生体の科学35巻6号

1984年12月発行

特集 細胞毒マニュアル—実験に用いられる細胞毒の知識

神経系に作用するもの 神経終末作用薬

カプサイシン

著者: 小西史朗1

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部薬理学教室

ページ範囲:P.446 - P.448

文献概要

 ■特性
 カプサイシンは植物成分に由来する神経細胞毒の中でもユニークなものの一つである。カプサイシンが作用する神経細胞の種類はかなり限られている。数多くの神経細胞群のうち,カプサイシンはある種の一次感覚神経細胞(primary sensory neurons)に選択的に作用して各種の薬理効果を発現すると考えられている。このような理由から,カプサイシンは特定の生理学的反応に関与する感覚神経の役割を明らかにする目的で用いられている。また感覚神経に含有される神経ペプチドの機能的役割を解明するための薬理学的手段として,カプサイシンの有用性が注目されている。特に植物から得られた天然化合物の中で,ペプチド含有神経系に影響を与えるものとしてカプサイシンは稀少な例である。作用の性質や作用機序について未解決の問題が残されているものの,カプサイシンは特異的神経毒として興味深い物質である。実験的応用について主に注目してカプサイシンの性質を要約する。詳しい性質に関する文献は,最近のカプサイシンについての広範囲に及んだ包括的総説1〜3)の中に見出すことができる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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