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特集 細胞毒マニュアル—実験に用いられる細胞毒の知識 膜一般に作用するもの
サポニン
著者: 大槻磐男1
所属機関: 1九州大学医学部臨床薬理学教室
ページ範囲:P.493 - P.494
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細胞内の分子機構は通常生化学的に分離した分画についてしか詳しく検討することができない。何とか細胞全体の構造を保ちながら調べられないだろうか。そのためには細胞の外周を形成する形質膜に小さな"穴"をあけた細胞モデルが作製できればある程度目的が達せられる。
1972年から1974年にかけて,細胞内消化酵素の免疫電子顕微鏡的な同定を目標にして,細胞の全体構造を保ちつつ細胞形質膜に穿孔する方法を検索した結果,サポニンがこの目的に適していることが見出された1,2)。以来,今日まで約10年の間にサポニンは細胞形質膜を穿孔する試薬として広く用いられるまでになってきた。
細胞内の分子機構は通常生化学的に分離した分画についてしか詳しく検討することができない。何とか細胞全体の構造を保ちながら調べられないだろうか。そのためには細胞の外周を形成する形質膜に小さな"穴"をあけた細胞モデルが作製できればある程度目的が達せられる。
1972年から1974年にかけて,細胞内消化酵素の免疫電子顕微鏡的な同定を目標にして,細胞の全体構造を保ちつつ細胞形質膜に穿孔する方法を検索した結果,サポニンがこの目的に適していることが見出された1,2)。以来,今日まで約10年の間にサポニンは細胞形質膜を穿孔する試薬として広く用いられるまでになってきた。
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