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特集 細胞毒マニュアル—実験に用いられる細胞毒の知識 細胞骨格に作用するもの
クロールペプタイド(黄変米毒)
著者: 上野芳夫1
所属機関: 1東京理科大学薬学部・毒性・微生物化学教室
ページ範囲:P.540 - P.541
文献購入ページに移動第二次大戦直後に海外より輸入された米粒より,多数の有毒Penicillium属の真菌が分離された。それらのうち,P. citreoviride Biourgeからは神経毒チトレオビリジン(citreoviridin)が,P. citrinum Thomからは腎臓毒チトリニン(citrinin)が,そしてP. islandicum Soppからは肝臓毒,ルテオスカイリン(luteoskyrin)とクロールペプタイド(chlorine-containing peptide)が分離され,それらの中毒学的,病理学的研究が行われた。
P. islandicum Soppの二つの肝臓毒のうち,ルテオスカイリンはアントラキノン系の黄色色素で菌体内に生産されるが,一方,クロールペプタイドは環状ペプタイドで水溶性であり,菌体外毒素である1)。
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