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文献詳細

雑誌文献

生体の科学35巻6号

1984年12月発行

文献概要

特集 細胞毒マニュアル—実験に用いられる細胞毒の知識 代謝系に作用するもの

トリフロペラジン

著者: 佐々木泰治1 日高弘義1

所属機関: 1三重大学医学部薬理学教室

ページ範囲:P.617 - P.618

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 トリフロペラジンは他のフェノチアジン系抗精神薬同様,脳内ドーパミン(DA)受容体を遮断することが知られている。シナプス前膜からのDA放出が一連の抗精神薬によって阻害され,かつハロペリドールのシナプス後膜への結合をも阻害する1,2)。抗精神薬のこの阻害効果と臨床有効容量との間に高い相関性が得られている。更には,DA感受性アデニレートサイクレース活性がトリフロペラジンなどの抗精神薬にて阻害されることも知られている。
 一方,1975年LevinとWeissらによって,トリフロペラジンがカルモジュリン(CaM)依存性phosphodiesterase(PDE)活性を阻害するということが報告された3)。その後種々の研究室から,CaM依存性酵素の活性がトリフロペラジンを含む"CaM antagonist"によって阻害されるという報告が相ついだ。そしてCaMantagonistsがCaM研究の有力なtoolとして登場した。本稿では,CaM antagonistとしてのトリフロペラジンの性質,有用性について述べる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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