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文献詳細

雑誌文献

生体の科学36巻1号

1985年02月発行

文献概要

特集 Transmembrane Control

Transmembrane Controlとは何か

著者: 石川春律1

所属機関: 1群馬大学医学部解剖学教室

ページ範囲:P.2 - P.3

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 細胞は外部から多種多様な刺激ないし情報を受け取り,それに反応している,細胞を外界から境する細胞膜(形質膜)は物理的・化学的情報の受容の場である。情報によっては膜を素通りして,細胞内部で直接効果を表わすが,膜を通過せず,したがって,膜に働きかけるのみで,これを介して間接的に内部に反応をひき起こす情報も多い。この後者の場合にのみtransmembrane controlが適用される。
 Transmembrane controlの概念は漠然としていて,何ら統一的な見解も出されていない。したがって,ここでは一応,外部情報のうち,物質的情報が細胞膜と相互作用をし,その結果変換された情報が膜を越えて細胞内部に伝わり,細胞の生理活性を調節する過程ないし機構を指すことにする。transmembrane controlの意味するものが漠然としたところがかえってよいということもあろう。しかし,そのメカニズムの詳細が明らかになれば,さらに特定された用語で呼ばれるようになる。その意味ではいわば過渡的な用語かもしれない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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