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文献詳細

雑誌文献

生体の科学36巻1号

1985年02月発行

文献概要

特集 Transmembrane Control

細胞膜受容体を介するアデニレートシクラーゼの活性調節

著者: 堅田利明1 宇井理生1

所属機関: 1北海道大学薬学部薬効学教室

ページ範囲:P.4 - P.10

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 SutherlandとRallによってcAMP(adenosine cyclic 3′,5′-monophosphate)が発見されて以来四半世紀が経過したが,ホルモンや神経伝達物質のセカンドメッセンジャーとしてcAMPが種々の生理応答に重要な役割を果たしていることが現在広く受け入れられている。細胞膜表面上に存在する種々の受容体にそれぞれに特異的なアゴニストが結合すると,その刺激は細胞膜の内側に存在するcAMPの生成酵素であるアデニレートシクラーゼに伝達される。この結果,アデニレートシクラーゼは活性化され,細胞内で増加したcAMPがcAMP依存性プロテインキナーゼを活性化し,細胞の種々の生理機能が発揮されるものと考えられている。
 細胞膜の脂質2重層を介するこうした受容体刺激からアデニレートシクラーゼへの情報伝達機構の研究は,伝達系を構成する蛋白質が疎水性できわめて微量なため,1970年代後半まで大きな進展がみられなかった。しかし,近年この分野におけるいくつかの重要な発見を契機に,また構成蛋白質の精製とその機能の研究が進み,受容体—アデニレートシクラーゼ連関の分子レベルのメカニズムの大筋がほぼ明らかにされた。図1にこの連関系を構成するコンポーネントを模式化した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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